おす!オラ、かず!
貧乏マインドを脱し、お金を吸い寄せる人格に精神改造を図る【金持ちマインド吸収シリーズ】ラストの第3弾は、
あのお金の名著『金持ち父さん貧乏父さん』1のロバート・キヨサキ氏に登壇してもらう。
氏には、二人の父親がいる。
血のつながった実の父親と、血は繋がっていないが、お金の知恵を受け継いだ友達の父親である。
実の父親は、4年制大学を2年で卒業し博士号も持つ秀才。
なのに、いつも請求書の支払いに追われ、欲しい物を手に入れることなく、請求書を残してこの世を後にした貧乏父さんである。
もう一人の父親は、中卒。
学歴はないが、たくさんのお金を稼いで息子に遺産を残し、慈善事業にも何千万ドルの寄付をし、金銭的に不自由なく生涯を過ごした金持ち父さんである。
本記事は、このような対蹠的な二人の父さんを比較する形で、お金持ちの法則に切り込んでいくものである。
そして、本記事は、『金持ち父さんの貧乏父さん』からさらなるエッセンスを抽出し、これまでのシリーズと同様に、
- お金に対する向き合い方
- お金を増やすための考え方
- お金を増やすには、まず、何をすればいいのか
と体系づけるものである。
一生他人に搾取され、請求書に追われる人生で終えたくなければ、本記事でしっかり金持ち父さんの「種」(マインド)と「幹」(論理)の部分を掴み、
また、できれば本書に直接あたり、その理解を確実なものにしていただきたい。
では、さっそく始めよう…
と思うのだが、その前に、
以下、ロバート氏のプロフィール紹介に代えて、金持ち父さんによるロバートへのお金スパルタ教育と、そこからロバート氏が得た金持ち父さん最大の教えを、ストーリー形式で追っていこう。
その後に、上記3つの視点でそのストーリーを解き明かすという体裁をとる。
金持ち父さんとロバート氏の出会いは、ある通貨偽造事件に端を発する…
目次
金持ち父さんとロバート氏の出会い~時効だから許す!~
9歳だったロバート少年は、週末、金持ちの友達がグループを作り海の別荘に行くとワイワイしている際、自分だけが誘われなかったことに、悔しさを覚えていた。
ロバートは貧乏だったので、金持ち連中との間に、見えない線が引かれていたのだ。
悔しいロバートは、父親に「どうやってお金を作るの?」と尋ねたのだが、父親は「自分で考えて御覧」で話は終わり。
それもそのはず、請求書の奴隷になってしまっている父に、お金を作る方法はわかるはずはない。
(自分でなんとかするしかない)
ロバートは、同じ学校に通う友人マイクに相談し、二人で「お金を作る」事業計画を打ち立てた。
それは、家々から歯磨き粉のチューブを集めるというもの。
当時の歯磨きチューブは、プラスチックではなく鉛でできていた。
それを火であぶり溶かして、石鹸で作った型にいれると、どうなるか。
5セント硬貨ができあがるのだ!
大量の歯磨きチューブと、がんがん燃え盛る灰。
石鹸の粉まみれで満面の笑みを浮かべる少年たちに、父親は「事業」の廃業を告げるのだった…
この父親は、子供たちにお金に関する知恵を授けられなかったが、エライのは、子供を叱って委縮させなかったこと。
「一番大事なことは、お前たちが何かをやったということだ」
父親は、ロバート達の闘志を駆り立てつつ、お金持ちのマイクの父親に、お金に関する知恵を聞いてみてはと提案した。
さっそく、ロバートはマイクの父親に電話し、アポを取り付けたのだった。
…
…
ロバートが「金持ち父さん」マイクの父親に「お金の作り方を教えてほしい」と頼むと、金持ち父さんは快諾した。
ロバート達が興した「事業」について聞き、見込みがあると思ったからだ。
ただし、このお金の授業には条件があった。
それは、お金の稼ぎ方を教える代わりに、「時給10セント」という激安時給(最低賃金は25セント)で、自分が営んでいるコンビニで働けというのだ。
この意図がつかめないまま、ロバートはコンビニで働くことになった。
…
…
このような労働基準法違反の低賃金で働けど働けど、金持ち父さんは一向にロバートにお金に関する知恵を教えてくれない。
楽しみは、わずかな給料をもらったときにコンビニで買って帰る、漫画雑誌だけ。
それを買うと、もうお金はなくなってしまう。
業を煮やしたロバートは、「賃金を上げるか、お金の知恵をレクチャーして下さい。でなければ仕事をやめます」と金持ち父さんに直談判した。
しかし、金持ち父さんは、「口でするだけが教育ではない。すでにレクチャーは始まっている」という。
どういうかことか?
混乱するロバートに、金持ち父さんはいう。
「人間は誰だって、今の君みたいに人生につつきまわされている。そこで、①あきらめてなすがままか、②君みたいに相手を変えるために戦うか、③何かを学び取るか、どれを選ぶかが人生の分かれ道だ」
- ①を選んで何も言ってこなかったら、ロバートは金持ち父さんに見切りをつけられていた。
- ②は自分の成長に繋がらず、勝てても人生は変わらない。
- ③こそ、お金に不自由しない人間になるための道である。
多くの人がする、わずかなお金のために日々せかせか働く「ラットレース」のみじめさを体をもって教えるために、金持ち父さんはロバートに試練を課したのだ。
金持ち父さんはいう。
「中流以下の人間はお金のために働くが、金持ちは自分のためにお金を働かせる」
どういうことか。
多くの人は、朝起きて、仕事にいき、請求書を支払う。
その繰り返しである。
それは、彼ら貧乏人が、恐怖と欲望に支配されているからだ。
つまり、「請求書を支払えないかもしれない」「家とか車とかを見せびらかしたい」という感情に自動的に反応し、考えもせず、短期的にお金を得るために、人の下で動いている。
しかし、お金持ちは、「長期的に見て、お金から生ずる恐怖をなくしたり、自分の欲しいものを手にするためにする最善の方法は何か?」と自分に問いかけて考える。
そして、自分の感情を、その「最善の方法」に向けてうまくコントロールし利用するのだ。
それを学ぶため、金持ち父さんはロバートに、「今度は無給で働け」という。
ロバートは、金持ち父さんのコンビニで払きながら、「最善の方法」を考えてみることにした。
…
…
ある日、ロバートがコンビニでの仕事を終え、帰ろうとしていると、ある光景が飛び込んできた。
従業員が、売れ残りの漫画の表紙の半分を切り取り、雑誌そのものは段ボール箱に放り込んでいる。
何をしているのか聞くと、その雑誌は売れ残りとして捨てるものであり、切り取った表紙は新しい雑誌を届けに来た業者に、売らなかった証拠として戻すものだという。
ロバートはその業者の配達人に、表紙を半分切り取られた雑誌をもらい受けることはできないかと尋ねた。
ありがたいことに、その配達人は、「君たちがこの店で働き続けることと、雑誌を他に転売しないと約束してくれるなら、構わないよ」と言ってくれた。
ロバートはこのようにして漫画を集めつつ、マイクとの「共同事業」を復活させ、マイクの家の地下室にある使われていない部屋を改装し、漫画雑誌の図書館とした。
入場料として、1人10セント徴収し、2時間漫画読み放題。
当時の漫画は1冊10セントであり、2時間あれば5冊は読めたから、子供たちには十分割にあった。
図書館秘書として、信頼のおけるマイクの妹を週に1ドルで雇った。
ロバートは配達人との約束を守り、コンビニで働きつつ、図書館を運営していき、平均して週9.5ドルの収入を得た。
そのころ子供が週に9.5ドルを得るというのは、大変なリッチである。
しかし、図書館がオープンしてから3か月後、図書館内でケンカが発生してしまい、金持ち父さんの勧めもあって、ロバートはこの事業を畳んだ。
閉鎖の憂き目を見ることになったとしても、金持ち父さんは喜んでいた。
ロバートは、自分がその場にいなくても、事業自体が勝手に働き、お金を生み出すシステムを構築したのだ。
金持ち父さんはロバートに、一切口でガミガミいうことなく、わずかな給料をもらうよりはるかに価値がある資産、「自分でお金を創り出す力」(自分の頭で考えて、欲しいものを手に入れる力)を授けたのだ。
…
…
以後、ロバート氏は不動産や株などの資産から多くの富を生み出し続け、40代半ばでFAIRE2を達成した。
子供のころに経験した悔しさを、完全に克服し、経済的自由を手に入れたのだ。
そして今度は、金持ち父さんから受け継いだ知恵を自分だけでなくたくさんの人と共有するため、著作活動・講演活動を精力的に行っている。
本記事の底本である『金持ち父さんの貧乏父さん』は、ロバート氏の数々著作の最も根本にあるものであり、金持ち父さんの一番大切なマインド部分がギュっと凝縮したものとなっている↓
では、さっそく、上記ストーリーから、
- お金に対する向き合い方
- お金を増やすための考え方
- お金を増やすには、まず、何をすればいいのか
を抜き出していこう!
1 お金に対する向き合い方
金持ち父さんは、お金を、「人々がこれをお金だと合意したもの」と捉えている。
お金は、ただの便利な交換価値であり、自分の人生の目的を達成するために必要なものを得るための、手段にすぎないと捉えているのである。
だから、大事なのは、日々の請求書を支払うことが目的となっている貧乏人のような「お金の奴隷」になることではなく、「お金の主人」として自分のコントロール下に置くことである。
それが、お金を稼ぐためのエネルギーとなる。
具体的には、自分がお金を稼ぐ「理由」を明確にすることが最初のステップだ。
この理由は、自分が人生で①やりたくないこと、②やりたいことをリスト化することにより多角的に浮き彫りにできる。
ロバート氏でいえば、①は貧乏父さんのように一生「安定」した職について郊外の一戸建てのローンに苦しみながらそれを守ることに人生を捧げること、②自分の時間と人生を自由に使いたい、世界中を自由に旅行したい、となる。
金持ち父さんはいう。
- 「欲張りよりも、それに対して罪の意識を持つ方がよくない」
- 「『それを買うお金がない』と口にしてはいけない」
2 お金を増やすための考え方
資本主義においては、無知な者は搾取されるカモである。
貧乏人は、目の前の欲と恐怖にコントロールされているから、低賃金で人の下ではたらき、しかも50パーセントの税金を源泉徴収された挙句、日々の請求書の支払いに追われ、すっからかんで一生を終える3。
対して、お金持ちになる人は、自分の人生の目的をしっかり見据えているから、「人生の目的を達するうえでどうすればいいか?」を自分に問いかけて考え、欲と恐怖をコントロールすることができる。
その結果、
- ムダな出費を抑えて、資産を買った方がいい
- 自分のビジネスをもって、収入を増やした方がいい
- 会社を作って、自分のお金を守った方がいい
という結論に達することになる。
資産に投資することを第一に考える
資産とは、自分の労働力と切り離されたものであって、それ自体が働きお金を生み出すものである。
具体的には、
- 自動化された事業
- 株
- 不動産
などがこれにあたる。
資産があれば、定期的に自動でお金を運んでくれて、しかもそれは自分の労働力を使わないで手に入るものだから、時間ができる。
しかも、受け取ったお金の一部をさらに投資に回せば、雪だるま式に資産は増え続ける(複利)。
浪費は、資産から得た果実ですればいいのである。
そうすれば、家計を圧迫することはなく、しかもどんどん豊かな浪費ができるようになる。
このように、資産は自分の人生の目的を達成するうえで、協力な武器になりうるのである。
資産を買うには、支払いのタイミングが非常に重要だ。
最初に払うものを一番大事なものにして、最後に払うものを重要度の低いものにしなければならない。
金持ち父さんは、「まず、自分に払え、次に、他人に払え」といった。
まず支払うべき一番大事なものとは、もちろん資産である。
他人の請求書の支払いは、一番後回しにする。
そうすることで、資産を買ったのち、「なんとかして金を増やして、請求書の支払いをしなくては」と自分にプレッシャーと考える余地を与える。
それが、自分がお金に関する本来持っている力を目覚めさせることに繋がる。
お金持ちは、感情にコントロールされるのではなく、頭を使って考え、感情を自分のために利用するのである。
上述のように、ロバート氏は資産の例として、不動産や株などの現物資産を挙げるが、実は、資産はそれだけではない。
すなわち、氏は、「自分の頭脳が一番の資産」といっている。
つまり、
- 投資をするのであれば、なんの知識も経験もない状態ですると、多くの場合上手くいかない。
- また、例えば作家が本を売るうえで、いくら実力があっても、それを売るための能力4がないことで、収益が上がらない。
そこで、
- 前者の場合、投資セミナーに参加するなどで、必要な知識を得るためにお金を使う必要がある。
- 後者の場合、例えば、一度創作活動をやめてセールスの仕事に一定期間就いてみるなど、お金ではなく必要なスキルを得るために働く必要がある。
現物資産でも、「頭脳」という目に見えない無形資産でも、およそ「資産」と呼べるものは、
- それらは長期的視野に立った時に、自分にもっとも多くの富を生み出すものであり、
- それを得るために、何よりも優先的に支払いを済ますことが大切
なのである。
そして、まがい物に目を奪られない自制心は、「自分が本当に欲しいもの」をしっかりと自覚しているから、自然に生まれるのだ。
自分のビジネスを持つ
他人の下で働くことは、「安定」という名の下、低賃金で時間を使わせられ、しかもやっと手に入れた給与も、源泉徴収で強制納税させられる、ということである。
このような状態では、資産を十分に買うことができず、毎月の請求書に追い回される人生からは解放されない。
そこで、お金持ちになりたければ、
- 自分の事業を立ち上げて、収入の頭打ちを取っ払い、また経費により納税前にそれを減額することが出来るようにする必要がある。
- しかも、上述のようにそれが自動化できるものであれば、それが即資産資産である。
もっとも、仕事をいきなりやめ事業を起こすと、失敗したときにダメージがデカい。
だから、まずは副業として、働きながら事業をしてみることを、ロバート氏は勧めている。
会社を興して節税する
会社とは、金持ちお金を守るために、法律により観念上作られる存在である。
会社は、
- 有限責任5なので、事業失敗のリスクが個人には響かない
- 経費を使えるうえ、法人税は個人所得税より安い
- 会社に対し訴訟を起こされても、個人の財産にはかかっていけない
というものである。
会社は、金持ちの資産を守るための分身なのである。
↓株と株式会社のシステムの基本を、小学でもわかるように説明してくれている。
このように、自分の人生の目的を達成するお金を守るには、合法的にとりうるあらゆる手段を駆使しなければならない。
そのために支払う会計・法律などの専門家への報酬は、長い目で見たときに十分回収できる投資であり、自分の時間と将来の収益のために、支払いをケチってはならない。
3 お金を増やすには、まず、何をすればいいのか
人は自分の鏡である
金持ち父さんは、「自分が何か欲しいと思ったら、まず、それを他人に与えなければならない」といった。
自分が稼ぎたいなら、まず相手を稼がせてあげなければならない。
微笑みが欲しいなら、まず、自分が微笑まなければならない。
愛情、友情もそうである。
また、事業や資産から収益も、専門家からのアドバイスも、まず自分から、相手が必要としているものを差し出したから、得られたものである。
得させることなくして、何も得られない。
出し惜しみせず、小さなことから、まず自分から、与え始めなければならない。
失敗は自慢の種
事業を始めるにも、投資を始めるにも、新しいことに踏み込むのにちゅうちょを覚えるのが人間だ。
そんな人に、金持ち父さんはの以下の言葉を贈ろう。
「私が一番好きなのはテキサス人の生き方だ。勝ったときはテキサス人はそれを誇りにするが、負けたときはそれを自慢にする」
- 失敗したということは、相手のためを思って、勇気をもって行動した証である
- 失敗したということは、「相手に得させる能力」がまだ低かったというお知らせに過ぎない
失敗は、勝者の歩むプロセスにすぎないのだ。
一杯人に自慢できるようにしよう。
参考文献『金持ち父さんの貧乏父さん(改訂版)
本記事で載せきれなかった金持ち父さんの名言やエビソードが多くある。
また、『金持ち父さんの貧乏父さん』は自分で本を見て考えることで多くを得られるように作られているから、ぜひ実際に本書を読んで、金持ち父さんからの問いに答えてみていただきたい。
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