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さて、今日のお話は…
目次
作品情報
20XX年、12月23日未明。未曾有の事態が日本を襲う。
沖ノ鳥島の西方450キロ、波留間群島初島に国籍不明の武装集団が上陸、わが国の領土が占領されたのだ。
海上自衛隊は直ちに小笠原諸島沖で訓練航海中の第5護衛隊群に出動を命じた。その旗艦こそ、自衛隊初の航空機搭載型護衛艦《いぶき》だった。
計画段階から「専守防衛」論議の的となり国論を二分してきた《いぶき》。
艦長は、航空自衛隊出身の秋津竜太一佐。そしてそれを補佐するのは海上自衛隊生え抜きの副長・新波歳也二佐。
現場海域へと向かう彼らを待ち受けていたのは、敵潜水艦からの突然のミサイル攻撃だった。
さらに針路上には敵の空母艦隊までもが姿を現す。
想定を越えた戦闘状態に突入していく第5護衛隊群。政府はついに「防衛出動」を発令する。
迫り来る敵戦闘機に向け、ついに迎撃ミサイルは放たれた……。
引用:アマプラ『空母いぶき』
映画『空母いぶき』は、『沈黙の艦隊』『ジパング』『太陽の黙示録』など、リアルな国際軍事情勢を踏まえた壮大なストーリーを生み出し続けるかわぐちかいじ(wiki)の人気漫画を実写化した作品である。
漫画版いぶきは、2017年度、第63回小学館漫画賞一般向け部門を受賞し、2022年6月時点でシリーズ累計部数は780万部を突破している。
映画版の監督は、「ホワイトアウト」(00)、「沈まぬ太陽」(09)など大作を手がける手腕に定評を得て、両作で日本アカデミー賞優秀監督賞を受賞している、若松節朗(映画.COM)。
本作は、公開前から(色んな意味で)話題になっていた。
事の発端は、本作で総理大臣役を演じた佐藤浩市(上掲映画パンフ画像右上)の以下の発言である。
この発言が、大腸炎が持病の安倍総理を揶揄してる、クソ左翼野郎だとネット上で燃え上がり、特に「永遠の0」などで有名な作家の百田尚樹(wiki)が以下のようにTwitterで噛みついたことで、油を注いだ。
三流役者が、えらそうに!!
何がぼくらの世代では、だ。
人殺しの役も、変態の役も、見事に演じるのが役者だろうが! https://t.co/UReRTd6KNe— 百田尚樹 (@hyakutanaoki) May 12, 2019
しかし、実際に映画が公開されると、作中で安倍総理をバカにしたような言動があるわけではなく、自衛権としての「必要最小限」が何か見極め、ブレずに貫くという極めて困難な判断を迫られるプレッシャーの中で、お腹を壊すのも役作りとして自然であるとの擁護論も出てくる。
参考:
- 佐藤浩市【空母いぶき】はなぜ炎上してる?叩かれる理由や首相批判についても 動画視聴.com
- 実写映画『空母いぶき』は本当に駄作なのか?(ネタバレあり)ひたすら映画を見まくるブログ
- 波紋が広がる『空母いぶき』佐藤浩市の発言。実際に作品を観て感じること yahooニュース
そして、初登場でランキング2位、興行収入は2日で3億3000万円という好成績を記録しており、現役自衛官からも、「装備とその運用が緻密に描かれている」「部下に教育で見せている」などと高評価である。
参考:官邸が注目する軍事漫画「空母いぶき」 F35B導入で漫画のリアル追認できるか 産経NEWS
軍事衝突というデリケートな問題を扱う以上、批判は避けられない。
だが本作は、原作者・映画製作陣営の熱意と実力で、戦争放棄・戦力の不保持・交戦権の否認を決意した日本の防衛はどのようにあるべきか、深く考えさせる良作であると、証明したのである。
日本国憲法
第二章 戦争の放棄
第9条
①日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
② 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
本作は、架空の国家共同体である、フィリピン北東に位置する「東亜連邦」の不審船が、警戒にあたった海上保安庁の巡視船に発砲、海上保安官を拘束し、波留間(はるま)群島の架空の島「初島」に上陸・主権を主張した事件に対する、「空母いぶき」を旗艦とする第5護衛隊群と日本国政府の対応を描く。
原作の漫画は、中国を相手方とし、ステージを尖閣諸島の「南小島」に設定していたのだが、これを映画にしてしまうと彼らからの反発を(余計)招くとの懸念があり、映画版では架空の国を相手方とし、尖閣諸島の(現に争っているという意味での)問題に触れないようにしたのである。
中国の台湾侵攻(台湾戦争)が懸念される中、2022年8月2日、米ペロシ下院議長(アメリカ大統領継承順位が副大統領の次ぐNO.2)が台湾訪問をし、台湾を支持するという政治的意思を示した1。
台湾戦争が現実のものとなった場合には、台湾と目と鼻の先にあり、米国と同盟関係(従属関係)にある日本も否応なしに巻き込まれる。
中国の『中国新聞網』や『文匯報』などに、中国は2020年から2060年にかけて「六場戦争(六つの戦争)」を行うとする記事が掲載された。
この「六場戦争(六つの戦争)」計画によれば、中国は一つ目の戦争として、2020年から2025年にかけて台湾を取り返すべく動くことになる2
では、中国が台湾に侵攻することになった場合、日本にはどのような影響がでるのだろうか?
- 海上封鎖が実施され、尖閣諸島を含む先島諸島は、中国に占領される
- 自衛隊単独作戦により、領土奪還作戦が行われる
- 台湾の邦人(2万4000人以上)を退避させるためのミッションが行われる
- 中国の在留邦人が人質になる
- 多数の米軍人・兵器が自衛隊の基地に駐留・持ち込まれる(核も)
- 米軍の後方支援として自衛隊が動き、集団的自衛権を行使
- 米国が日本に中国本土のミサイル基地などへの攻撃を要請し実施
- ウクライナ戦争と同様にダラダラと長期化
…
もし起きれば、戦後日本が直面する最大の危機となる。
- 事前に回避するための方策
- そうなったときの対応策
を考えて準備しておかねばならない。
参考動画:
参考記事:
- 【独自】海自潜水艦に1000キロ射程ミサイル…敵基地攻撃能力の具体化で検討 読売新聞オンライン
- “敵基地攻撃能力”を“反撃能力”に名称変更を 自民が提言案 NHK NEWS
また、実際に存在する護衛艦「いずも」の空母化が勧められており、すでに垂直着陸可能なステルス戦闘機「F-35JB」を載せるための設備を設ける基礎工事を完了している。
「いぶき」は現実のものになりつつある。
参考:
- 海自最大!護衛艦「いずも」が空母化改修!F-35B搭載数は10機! ワールドミリタリー情報
- 海上自衛隊:護衛艦「いずも」空母化工事第1段階終了、横須賀に戻った姿をショッピングモールから望む mortar-fan-jp
さらに、憲法改正による緊急事態条項、自衛隊明記が現実味を帯びている。
なんだか「あらかじめ用意された計画を着実に進めている」ような感じを受けるのだが、考えすぎだろうか?
政教分離は政治と宗教との関わりを全て排除しない
だが、政治家は国民全員の代表であり、その関わりは国民の共通利益を満たすものでなければならない
安倍国葬+緊急事態条項で国民の命を外国へ捧ごうとする宗教との関わりは、政教分離に反する
大戦時の国家神道と国家総動員法が変わっただけ https://t.co/GbAjDMTRvw pic.twitter.com/z5UmgN5Zmi
— ウエノ@法務博士ナンパ師 (@uenotubuyaki) August 19, 2022
憲法への自衛隊明記は必要か?
国民の命を守るため、国がBATNAとして必要最小限の自衛の措置がとれるのは自然
憲法をユルユルにしないため、覚悟を示すため、ハッキリさせる必要はある
だが、自民のは「ユルユルの固定」
言っちゃえよ
米中たちと、集団的に、ヤりたいとhttps://t.co/tAI9D68R1W pic.twitter.com/BvzmLyUdoJ
— ウエノ@法務博士ナンパ師 (@uenotubuyaki) August 22, 2022
今、主権者として、どのような表現をするか、政治行動をするか。
同じ過ちを繰り返すのか、乗り越えて進化するのか。
個人としても日本国としても、未来を選ぶために、重要な岐路に立たされているといえるだろう。
だから、今、最高の教材である本作で、
- ご先祖様が繋いでくれた命と、日本での幸せな生活を守る、「自衛の道」とはどのようなものか?
- それを規律する法令はどのようになっているのか?問題はあるのか?
- それらが、今俺達が学んでいる「法則立脚型交渉術」とどのような関係にあるか?
一緒に考えていこう!
以下、ざっくりストーリー&考察に入るが、ぜひ本作に興味を持ち、お時間が許す方は、自分の目で本作を見て、自分の頭で考えてから、本記事と対照するというプロセスを経て、思考力を高めてもらいたい。
ざっくりストーリー(大いなるネタバレあり)
主な登場人物紹介
自衛隊関係(第5護衛艦隊)
- 秋津 竜太(あきつ りょうた)…西島秀俊
主人公。初登場時は航空自衛隊所属で、階級は二佐。元々は戦闘機乗り(ファイター・パイロット)で、「空自始まって以来のエースファイター」と呼ばれたほどの英才。
米ノーフォーク海軍基地で研修を積み、海上自衛隊へ転属。最年少で一佐へ昇格し、「いぶき」の初代艦長を務める3。
「力には力をもって思い知らせる」「戦わなければ守れないものもある」という信念を持ち、自衛官として日本の防衛をどう考えるかという点で、新波と微妙なズレがある。
- 新波 歳也(にいなみ としや)… 佐々木蔵之介
本作品のもう一人の主人公であり、海上自衛隊所属の自衛官。階級は二佐。いぶきの副艦長兼航海長を任される。秋津とは防衛大学の同期。
自衛隊が発足以来60年間一人も任務で殺傷していないことを誇りに思っており、「モニターの光点は艦か機であると同時に人間である」「自衛官に必要なのは何があっても戦争を阻止する覚悟」といった信念を持つ。
秋津の能力を認めつつも、その思想や行動に「自衛官が持ってはならない野心があるのではないか?」と疑いの目をもって見つめる。
- 浮船 武彦(うきふね たけひこ)…山内圭哉
対空戦闘能力の弱いいぶきの頭上を守る、イージス艦「いそかぜ」の艦長。階級は一佐。
艦砲射撃の名手。本気になると関西弁になる。
- 滝 隆信(たき たかのぶ)…髙嶋政宏
潜水艦「はやしお」の艦長。階級は一佐。
敵潜水艦が魚雷でいぶきを狙う中、「やられる前にやるか、それとも第三の道があるか」重大な選択を迫られる。 - 迫水 洋平(さこみず ようへい…市原隼人
いぶきが擁する15機のF-35JBは、5機づつで3小隊に別れている。その中の、アルバトロス小隊のパイロットで隊長を務めるのが、迫水である。階級は三佐。コールサインは「アルバトロス1」。
初陣で小隊を率い、敵機4機を撃墜して撤退させた。また、ミサイルに追われた柿沼を叱咤し、ベイルアウト(緊急脱出)するよう呼びかけた。
- 柿沼正人(かきぬま)…平埜生成
アルバトロス小隊隊員。階級は一尉。コールサインは「アルバトロス2」。
敵ミサイル6発同時攻撃の標的になり、回避行動を続け、レッドアウト4に陥る。高価な機体を守るため、僅かな回避成功の可能性にかけて急旋回を敢行するか、ベイルアウトするか決断を迫られる。
その他
- 垂水 慶一郎(たるみ けいいちろう)… 佐藤浩市
内閣総理大臣。お腹ゆるゆる事件で物議をかもしたことは上述の通り。
- 城山宗介(しろやましゅうすけ) … 中村育二
副総理兼外務大臣。早々に防衛出動を下令するよう首相に働きかけたり、安易な武力投入をせかしたり、拙速なところがある
- 本多裕子(ほんだ ゆうこ) … 本田翼
ネットニュース「 P-Panel」の記者。
演習を取材するためにいぶきに乗り込んでいたところ、今回の戦闘に巻き込まれる。
途中でヘリで離脱するタイミングがあったのだが、そのときの彼女の決意が、物語りの行方を大きく左右することとなる
※以上の登場人物紹介はwiki「空母いぶき」を参考にかずが補足した
「いぶき」進水と「東亜連峰初島占領事件」
「人間はおもちゃを持ったら使いたくなるものです。」「だからこそ、それを持つ者の理性が問われる」
いぶきの進水式で、艦長となる秋津はそういい、対米自立への道を歩み出した垂水ら幹部陣の、固い笑顔の裏側の、かすかな陰りをえぐっていた。
自衛隊初となる空母いぶきが吹き飛ばすのは、日本の闇か、それとも未来か?
未来はだれにもわからない。
信じて動くしかないのである。
依然、世論も右に左に、揺れている。
いぶきは、自衛のための実力として許容される「必要最小限度」の範囲内なのか?
波打つ国民の心など知らないように、生まれたての空母いぶきを旗艦とする第5護衛隊群は、青白く輝きながら、小笠原諸島での演習にむけ、新しい世界の風を切っていた。
そんな中、20XX年12月23日未明、事件は起こる。
国籍不明の漁船20隻が、波留間群島に属する「初島」沖の排他的経済水域(EEZ)から接続水域に向かっているのを、海上保安庁の巡視船「くろしお」が発見した。
引用:排他的経済水域(EEZ)とは?可能性を秘めた日本の海を知ろう 東京都総務局
①領土から続く200海里向こうまでの、一番範囲の広い場所が「排他的経済水域(EEZ)」である。
船は自由に航行できるが、魚などの漁業資源やレアメタルやメタンハイドレートといった鉱物資源などに関してのみ、日本の法律を適用できる。
EEZでは国の許可があれば外国船でも操業ができるが、そうでない場合は取り締まりの対象になる。
日本では、海上保安庁・水産庁が、船だけでなく飛行機を使ってこの広い範囲を日々パトロールしている。
②EEZの一つ内側にあるのが、「接続水域」である。
密輸など怪しい船を見つけた場合は、予防的に取り締まることができる。
接続水域は、基本的にどこの船でも自由に航行してよい場所なのだが、中国の「海警」5などの、何かやってしまいそうな怪しい船がやってくると、日本は「領海に近づくな」と警告したり、監視したりできる。
③「領海」は領土から一番近い場所にある。
言ってみれば“海の領土”なのだが、瀬戸内海のように陸の内側にある海(内水)でない限り、外国の船は、安全を害さない範囲で通航する権利がある(無害通航権)。
しかし、外国の船が勝手に漁業をしたり、密輸を企んでいるようなら、海上保安官は、日本の法律に基づいて、停船・退去命令を発し、それに従わずに逃走する場合は警告弾の投擲を行う他、強行接舷により海上保安官の移乗を行い臨検し、立入検査忌避罪等の容疑で逮捕する。
該当船舶に武装の可能性があるなど、強行接舷に危険がある場合には、射撃警告、威嚇射撃をした後、状況を見て強行接舷を試みる。
参考:
- ニュースでよく見る「領海」や「接続水域」何が違うの? ヤフーニュース
- 領海と排他的経済水域~海の国境について知る nikkei4946.com
- 海上犯罪抑止政策 : 海賊・海上テロの海上暴力犯罪を巡って 内田遼
- 領海侵犯 wiki
漁船を監視するくろしおに、乗船中の海上保安官に向け、漁船群は突然発砲。
複数の負傷者を出し、海上保安官たちは全員は拘束された。
その後、漁船群は初島に上陸。
日本の夜を切り裂いて、漆黒の国旗がはためいた。
海上警備行動発令&いぶき出動!
人命を脅かす発砲、明確な領土侵犯。
過去に類をみない重大事案であり、海上保安庁の能力を超えているのは明白である。
沖防衛大臣は、「海上警備行動」を発令する。
海上警備行動(かいじょうけいびこうどう)とは、防衛大臣が、海上における人命若しくは財産の保護又は治安の維持のため特別の必要があると判断した場合に命ぜられる、自衛隊の部隊による海上における必要な行動をいう。
1999年(平成11年)の「能登半島沖不審船事件」に際し、初めて発動された。
強力な武器を所持していると見られる艦船・不審船が現れる等、海上保安庁の対応能力を超えていると判断されたときに、防衛大臣の命令により発令される海上における治安維持のための行動である。
自衛隊法82条に規定されたものであり、自衛隊法93条に権限についての規定が定められている。
海上における治安出動に相当し、警察官職務執行法・海上保安庁法が準用される。
発令に当たっては、閣議を経て、内閣総理大臣による承認が必要である。
相手船舶が本格的に日本への攻撃の意思を明らかにして、海上警備行動でも対応できない場合は、防衛出動が発令されるが、これは防衛大臣に命令権がなく、内閣総理大臣が直接発令する。
防衛大臣が発令できるもので最高位のものが海上警備行動である。
引用:海上警備行動 wiki ※太線はかずが付した
(関連法規)
- 自衛隊法第82条(海上警備行動)
防衛大臣は、海上における人命若しくは財産の保護又は治安の維持のため特別の必要がある場合には、内閣総理大臣の承認を得て、自衛隊の部隊に海上において必要な行動をとることを命ずることができる。 - 自衛隊法第93条(海上における警備行動時の権限)
1 警察官職務執行法第7条の規定は、第八十二条の規定により行動を命ぜられた自衛隊の自衛官の職務の執行について準用する。
2 海上保安庁法第20条第2項3の規定は、第78条第1項又は第81条第2項の規定により出動を命ぜられた海上自衛隊の自衛官の職務の執行について準用する。
(後段、3項略) -
警察官職務執行法7条(武器の使用)警察官は、犯人の逮捕若しくは逃走の防止、自己若しくは他人に対する防護又は公務執行に対する抵抗の抑止のため必要であると認める相当な理由のある場合においては、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度において、武器を使用することができる。
但し、刑法第36条(正当防衛)若しくは同法第37条(緊急避難)に該当する場合又は左の各号の一に該当する場合を除いては、人に危害を与えてはならない。
(1号以下省略。凶悪犯罪を犯した者への逮捕等の警察官の職務執行にあたり、抵抗や逃亡をする者に対して、危害射撃をする緊急性・必要性・相当性を担保する文言である)
危害射撃は、あくまで海上警備行動をとっている自衛官個人・行動を共にする者に対する正当防衛・緊急避難や、重要な職務執行の妨害に対してのみ許容されている、時間・空間・行動が極めて限定された手段なのである。
安易に武器を使って他国の国民に危害を加えれば、その国は黙ってはいられない。
際限のない攻撃の連鎖が始まるおそれがあり、戦争の引き金にもなりかねない。
だから、武器使用・危害射撃ができる場面を、「こんな場合じゃしょうがないよね」と誰もが納得できるような状況に絞るべく、法律でぎちぎちに縛っているのである。
そうはいっても、現場の自衛官は命をかけている。
武器を使いたい欲望は当然湧き上がってくる。
それを抑え、長期的な視点での利益最大化に向けた「第三の道」を探し出す自制心・思考力が、幹部には要求される。
この「悩み」をちゃんといぶき以下第5護衛隊群は見せるのか?どんな答えを出していくのか?
そこに着目して、行方を追って欲しい。
午前4時25分、総理大臣官邸地下の危機管理センター。
総理大臣垂水を筆頭に、内閣は緊急の会合を開く6。
城山副総理は早々に防衛出動を総理に打診するが、相手方は何者なのか、何を求めているのかなど、情報が少なすぎる。
石渡内閣官房長官は、城山をなだめ、まず関係各国への事実関係の確認と、国連への提訴を指示する。
国連安保理は、国際の平和と安全の維持を目的として掲げる、国連の機関である(国連憲章第24条1項)。
国連の加盟国であるかどうかに関係なく、いかなる国も、また、国連のリーダーである事務総長も、紛争あるいは平和への脅威について、安全保障理事会の注意を促すことができる(国連憲章第35条1項)。
安保理の国連憲章上の主な権限は、
- 平和に対する脅威、平和の破壊又は侵略行為の存在を決定し、
- 紛争当事者に対して、紛争を平和的手段によって解決するよう要請したり適当と認める解決条件・暫定措置を勧告したりすること、
- 経済制裁等の非軍事的強制措置及び軍事的強制措置を決定すること、
などである。
安保理の具体的活動は、特に冷戦の終結以降、国連平和維持活動(PKO)の設立、多国籍軍の承認、テロ対策・不拡散に関する措置の促進、制裁措置の決定等多岐にわたっている。
安保理は15の理事国からなっており、そのうち、
- 中国
- フランス
- ロシア
- 英国
- 米国
の5ヶ国は、常任理事国である。
その他の10ヶ国の非常任理事国は、立候補に基づく選挙を経て、総会が2年の任期で選ぶ。
なお、日本は2002年6月9日にあった選挙で加盟国の中で最も多い12回目の当選を果たしている。
安全保障理事会での決定を得るには、9ヶ国の理事国が賛成の投票をしなければらないが、常任理事国のうち1ヶ国でも反対票を投じた場合、決議は通過しないことになる。
これを、常任理事国の拒否権という。
参考:
- 国連安全保障理事会(安保理)とは 外務省
- 国連のここが知りたい! 国連広報部リーフレット(画像も引用)
- 日本が国連安保理の非常任理事国に当選 加盟国中最多の12回目 NHK NEWS WEB
- 国連憲章テキスト 国連広報センター
この拒否権は、自己中常任理事国が振るいまくってきており、安保理は、国際紛争の解決機関として、機能不全を起こしている。
少しデータが古いですが、2012年2月までに各国が拒否権を行使した回数は
- ロシア127回
- アメリカ79回
- イギリス31回
- フランス17回
- 中国9回
となっています。
2015年までの10年間ではアメリカは拒否権を3回使っており、これらはすべて、イスラエルがパレスチナ自治区で行っている軍事行動に対する非難決議から、イスラエルを擁護するために使っています。
アメリカとイスラエルは政治的に仲がいいですからね。
また、シリア内戦に関する安全保障理事会の決議に対しては、ロシアが何度も拒否権を行使しています。
シリア内戦では、シリア政府のアサド政権が一般市民を殺戮していることが問題になっていますが、ロシアとアサド政権は政治的に仲がいいため、ロシアはアサド政権を擁護するために拒否権を何度も行使しているのです。
引用:原貫太の国際協力ブログ
国連の正体、問題とその対策案は、上記引用先の記事執筆者、国際協力師、原貫太さんがYouTubeでも説明してくれている。
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻をめぐっても、国連の安全保障理事会ではロシア軍の即時撤退などを求める決議案が採決にかけられ、理事国15か国のうち11か国が賛成したが、ロシアが拒否権を行使し、決議案は否決されている。
参考:国連安保理 ロシア拒否権で決議案否決 ウクライナ大使は黙とう NHK NEWS WEB
なお、「国連へ提訴」というと、安保理でなく国際司法裁判所への提訴と思われるかもしれないが、緊急の対応を要し、相手国など事実関係も不明な現段階では考えにくい。
国際司法裁判所へ訴えは、
- 当事者、紛争の主題等を明示する訴状の提出を要し、
- 当事国の合意がなければ裁判は開けず、
- 判決までどんなに短くても3ヶ月はかかり、履行まで含めると10年~みなくてはならない
からである。
国際司法裁判所も大きな問題を抱えている。
国際司法裁判所の判決は、拘束力を有するが、強制履行にあたって安保理を用いる必要があり、そこで拒否権を用いられると、権利の実現は不可能になる。
現にアメリカは、ニカラグア事件本案判決(1986年6月27日) により確定した損害賠償義務の履行を拒否し続けている。
参考:
- 国際司法裁判所 国連広報部リーフレット
- 国際司法裁判所による竹島問題の解決 島根県
国連はあてにならないし、動いたとしてもその頃には相手は軍備を整えてしまう。
指をくわえて日本の領土・国民の命が危険にさらされているのを見ているわけにはいかない。
防衛大臣は、小笠原沖に向かっていた第5護衛隊群に海上警備行動を担わせるべく、その鼻先を初島へ振り向けさせた。
待ち伏せ
「救命胴衣を着けてくださいね」
慣れない救命胴衣に、自衛官の手を借りながら腕を通す、ネットニュース「 P-Panel」の記者、本多。
(海上警備行動ってよくわかんないけど、スクープかも)
戦後生まれで、戦争なんか遠い国のこととして育ってきた彼女は、今、この時代に自衛隊の船に乗るということがどういうことか、まだわかっていなかった。
そんな中、いぶきのCIC(戦闘指揮所)に、救命信号を発信し赤い煙を吐く、国籍不明船の姿が飛び込んでくる。
(初島の事件と何か関係があるのか?)
様子を伺う湧井第5護衛隊群司令に、秋津はすぐさま言う。
「対潜戦闘の用意を!」
だが相手の腹は決まっていた。
海を切り裂いて、12発もの対艦ミサイルが、いぶきに向かって襲い掛かった。
待ち伏せだ!
「あしたか、ミサイル迎撃!」
新波は叫ぶ。
だがそれを遮って、秋津は、
「間に合わない、砲雷長、チャフ発射、CIWS(シウス)で対応!」
電波帯域を乱す金属片がいぶきから散布され、多くの誘導ミサイルは目標の姿を見失った。
加えて、レーダーとコンピューターで自動化されたガトリング砲が火を噴く。
いぶきに向かうミサイルは次々と爆発し、打ち落とされていく。
だが、至近距離で発射された12発ものミサイルへの対応は、いぶきがいくら最新鋭の装備を備えていても、あまりにも不利だった。
「総員、衝撃に備え!」
一発のミサイルがいぶきの甲板に命中し、艦載機を甲板に上げるエレベーターを損傷してしまう。
消火活動に奔走する隊員。
「修理にどれくらいかかる?」
秋津が現場隊員に冷静に尋ねる。
「24時間、いえ、急いで18時間!」
「12時間で頼む」
潜水艦と遭難船は現場海域を離脱していた。
だが、東亜連邦の空母「グルシャ」を擁する艦隊が、いぶきに向かっているとの情報が入った。
やはり、東亜連邦だった。
グルシャには、ロシア製第4世代の戦闘機、ミグ35が30機が載っている。
いぶきに載っている第5世代戦闘機、F35なら15機でも十分渡り合えるが、エレベーターが直るまで出せない。
現場から送られてくる、いぶきが煙を上げている映像を見て、城山は叫ぶ。
「やられているじゃないか!総理!防衛出動を命じるべきでないか!」
垂水は未だ、決断を下せなかった。
涌井群司令離脱、指揮権移譲
空母対空母の武力衝突が現実味を帯びてきた。
本多ら乗船中の記者は、民間人であり、戦闘に巻き込むわけにはいかない。
ヘリで近隣の補給艦に移送されることとなった。
一方、垂水はアメリカ大使に、国土奪還のための対応を継続すること、場合によっては応援を要請するかもしれないことを伝える。
しかし、「大統領は中国国家主席との会談中で、終り次第伝えます」と煮え切らない返事。
垂水の口元に引きつるような冷笑が浮かぶ。
そんな中、東亜連邦の艦隊から、潜水艦が一艘、いぶきに向かっているのを、哨戒ヘリコプターが探知する。
いぶきのレーダーにも、初島といぶきの間を埋めるようにしてまっすぐこちらに向かってくる、不気味な赤い点が映し出された。
このままでは、戦闘は避けられない。
迂回を提案する新波に対し、秋津は直進を提案する。
「迂回すれば、敵の防御態勢が整い、初島奪還も、海上保安官の救出も、より難しくなります。
今試されているのは我々の覚悟です」
涌井は、秋津の案を採用した。
「総員、戦闘配置!」
第5護衛隊群5隻の船内は慌ただしく動き、隊員たちのブーツが鉄を叩く音が響き渡る。
本多はようやく自分の置かれた状況が、のっぴきならない方向に向かっている事がわかってきたようだ。
反射的に救命胴衣をきつく締め、ちいさくなって、机の下に潜り込んでしまう。
海中では、第5護衛隊群の先陣を切る潜水艦「はやしお」のソナーが、東亜連邦の潜水艦が魚雷発射口を開く「コポコポ」という不気味な音を拾った。
操るのは、ひげがダンディな潜水艦乗り、滝一等海佐である。
はやしおも、魚雷発射口を開いて対応する。
(撃ってくるか?)(先に撃つかべきか?)
暗く深い海中では、150人と150人の命がかかった、見えないにらみ合いが始まっていたのだ。
「秋津艦長、状況はどうか?」涌井群司令が尋ねる。
「敵は、銃の引き金に指をかけました。状況は、”急迫不正の侵害”を満たしているものと考えます。
魚雷を打たれれば、近距離で対峙しているはやしおは回避できない。群司令、攻撃命令を。」
これを新波が遮る。「仕掛ければ、戦闘になります」
「はやしおに、人柱になれと?」秋津が言い返す。
双方の意見具申を踏まえ、涌井は決断する。
「敵潜水艦を沈めれば、初島の海上保安官の身に危険を及ぼすだけでなく、敵に新たな攻撃の口実を与えることとなる。
ここは、滝艦長の操艦技術を信じよう。敵が撃つまでは、一発を撃ってはならん。攻撃態勢を維持したまま、直進せよ!」
敵潜水艦との距離が、徐々に縮まっていく。
「目標直情まで、あと1分
15秒、10秒…
「敵艦直上、通過します!」
…
…
東亜連邦の潜水艦は、魚雷を発射することなく、現場海域を離脱していった。
胸をなでおろす、隊員ら。
そして、垂水ら首脳陣。
「我が国の防衛の本質を、よく示してくれた」
しかし、城山は、「結果論だよ。もし魚雷を撃たれていたら…
総理、直ちに防衛出動を下すべきではなかったか!」と詰め寄る。
そんな中、涌井軍司令が倒れたとの一報がもたらされる。
自衛官の命、相手の命。その家族の命、未来の命、国民の命、世界の命…
代わりのきかない大きな命を、自らの声一つで奈落へ落としてしまう重圧に、高齢の涌井軍司令の心と体は耐え切れず、悲鳴を上げたのだ。
第5護衛隊群の指揮権は、いぶき艦長の秋津に移ることになる。
「秋津…」
垂水の脳裏には、いぶき進水式で秋津が発した、あの言葉がよみがえってきた。
「人間はおもちゃを持ったら使いたくなるものです。」
偵察機撃墜。そしてついに…
「狙い通りか?」
涌井から指揮権移譲を受け医務室から出た秋津に、新波が立ちはだかる。
かすかな笑みを浮かべながら、秋津は言った。
「次は必ず撃ってくる。我々は、否応なく”ハードル”を超えなければならない」
「そのハードルとは何だ?」
「我が国の主権を侵そうとする者に対して、逃げずに正面から立ち向かう覚悟だ。
だから逃げずに、国を守る意思と力を見せる。」
「確実に戦死者が出るぞ。
創設以来一人の戦死者も出していないことが、我々自衛隊の誇りであったはずだ!」
「違う、我々が誇るべきことは、自衛隊に戦死者がいないことではなく、国民に誰一人戦死者がいないことだ。
国民を守るために死ぬならば、自衛官の本望だろう。」
…
…
12月23日午前10時35分、初島へ向かう自衛隊の2機の偵察機のレーダーに、機影が映った。
(この距離で探知ということは、ステルス機か…)
「警告する、初島上空での飛行はみとめられてない。直ちに当空域から離脱せよ。」
「ふざけるな!領空侵犯をしているのはお前らだろう」
当然引くことはできない。
すぐさまステルス機は偵察機の背後に回った。
そして、偵察機の周りに機銃をばらまく。
「警告射撃を受けた!」
「ただちに反転機動せよ」
偵察機は命令に従い、引き返そうとする。
そのとき、警戒音がこだました。
「ロックオンされた!くるぞ!ミサイルだ!!」
あなたがいつ空対空ミサイルを撃たてもいいように、元航空自衛隊のF-15J操縦士でテストパイロットや操縦教員もされた経験のある「空飛ぶたぬき」さんに、回避方法を聞いてみよう!
以下参考:AAM(空対空ミサイル)を回避する 空飛ぶたぬきの航空よもや話
空対空ミサイルに使用されている誘導方式は、「レーダー型」と「赤外線型」である。
レーダー型とは、自分自身もしくは別の所から、目標に対してレーダーを照射し、その反射波をたどって飛行する方法である。
レーダー型のメリットとしては、射程が長いことである。
しかし、レーダーには決定的なデメリットがある。
戦闘機のレーダーには、地上が写り込んでしまわないよう、「速度0の物体(つまり、自機の速度と同じ速度で接近する物体)は除外する。」という機能がついており、これによって地上や海上が写らないようになっている。
そのため、相手機が、母機に対して90度直角に飛行すると、レーダーから「除外」されてしまい、ミサイルは相手を見失ってしまうのだ(ビーム機動)。
レーダー型のミサイルを避けるには、このビーム軌道と、チャフの散布を組み合わせ、レーダーから消えるのである。
引用:航空機搭載機材「チャフ」・「フレア」とは? 理経済株式会社
他方、赤外線型とは、目標が発生させる熱源を追尾して飛行する方法であり、小型軽量化しやすいというメリットがある。
だが、致命的な欠点があり、「発射できる距離が非常に短い。」という点である。
熱源、つまりジェットエンジンの熱や排気の熱というのは、常に周りの空気等によって冷やされており、距離があると空気中に熱が溶け込んでしまい、熱源として利用出来ないことになる。
そのため、赤外線型のミサイルの回避方法は、「熱源を最小限にする。」という事になる。
すなわち、エンジン推力を絞り、速度を落とし、旋回径を小さくし旋回するのである。
これと、フレアを組み合わせる。
フレアは小さな花火のようなもので、発生させる熱源のスペクトルは、ジェットエンジンのそれと似ている。
要は、ニセのエンジンである。
そして、ステルス戦闘機のステルス性とは、電波の反射を抑える外板・塗料や、排気温度を下げ、外側からノズルが直接見えないようにする設計により、敵から見つかりにくいということだけでなく、両タイプのミサイルに当たりにくくなる性質も含むものなのである。
ただ…
例えば、RWR(Radar Warning Receiver:レーダー警戒装置)の警報は、完璧な警報をするかというとそうではありません。
極端な話、飛んでくるミサイルを「目視」したほうが早いかもとさえ思います。
なので、現在のミサイルを使用した空中戦のベースは以下のように考えられています。
「まず、撃たれないこと。または、撃てない状況を作り出すこと。」
一度、発射母機から放たれたミサイルは、音速の3~4倍と言う速度で飛行してきます。
時速にして、3500km/h以上の速度で飛行する物体から逃れるのは、簡単な事ではないのです。
個々の技術よりも、戦闘に至るまでの戦略に全てがあると思っています。
「撃てない状況」とは、早い話、先制攻撃して相手を撃破してしまうのが手っ取り早い。
専守防衛を掲げ、「撃たれてからしか撃てない」自衛隊機のパイロットが耐えるのは、Gだけではない。
自分の身を守るため先制攻撃したいが、できないという葛藤にも、締め付けられるのである。
偵察機はミサイルに対し90度の位置に立とうと、回避行動をとる。
チャフをまこうとするが、近すぎた。
偵察機の弓なりを描く軌道は、ミサイルと同じ形になり、やがて合わさり、姿が消えた。
…
…
「戦死者だと?」
危機管理センターに、偵察機撃墜、パイロット生存確認とれずの報がもたらされた。
しばらく言葉を失う、総理以下閣僚たち。
それを破り、城山が垂水に詰め寄る。
「総理、もう十分だろう!やらなければらやれるぞ!」
他の閣僚も詰め寄る。
「総理!」
垂水は、現実を受け入れなければならなかった。
「我が国の領土が侵略され、自衛官の命が奪われました…
武力攻撃事態と認定します。
防衛大臣、全閣僚の同意を得、国会には、事後承認を得るものとし、自衛隊全部隊に、防衛出動を命じます。
外務大臣、国連に対し、我が国が、自衛権を発動する旨、ご報告をお願いします。」
自衛隊創設以来初めてとなる、「防衛出動」が下令されたのだ。
…
…
さあ、前編のお話はここまでだ。
いわゆる、グレーゾーン事態3から武力攻撃事態に至るまでに適用される法制度や、海上保安官・自衛官の葛藤について、イメージと問題意識をもってもらえたのではないか。
なぜ、このように、がんじがらめになっているのか?
その答えは、後編で、
- 防衛出動とは何なのか?自衛権とどのような関係にあるのか?
- そして、空母いぶきが示す「自衛のための戦闘」とはどのようなものなのか?
- それは、どのような場所に、どのように着地するのか?
を学び・考えることで、違う角度から、よりハッキリ見えてくるはずだ。
- 潜水艦「はやしお」の体当たり作戦とは?
- ナニワのイージス艦「いそかぜ」のピンポイント主砲作戦
- 「一機も失うな」の意味とは?最新鋭戦闘機F35JBv.sミグ
- 捕虜救出!だが…
- 追い込まれたいぶき。ハードルを越えたのは‥
続きは後半で。
作品へのリンク
予習しておこう!
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