どうも、岡田一志だ!
- 面白い話ができないと悩んでいる真面目くん
- どうすれば笑わせられるのか、その理由を知りたい方
に朗報がある。
ついに俺が、笑いが生じる3つのメカニズムを発見した!

この理論を理解すれば、人が笑う理由(本質)が分かるので、日常のあらゆる場面で自然に笑いを生むことができるようになり、相手に「面白い人」と持ってもらえ好印象を得られる。そして、あらゆる人間関係がスムーズになる。
また、男性にとっては特に大事なことで、詳しくは後述するのだが、人を笑わせられる人は、強いオスであり、女性にモテる。女性は面白い人が大好きなのである。
俺は今の彼女とbarに行ったとき、初対面の店員と彼女を笑わせまくり、彼女から話が上手いと評価を得た。その後、めちゃめちゃSEXした。
ところで、笑いの理論については、落語家で爆笑王の異名を持つ「桂枝雀」(かつら しじゃく)師匠が笑いの本質である「緊張と緩和」とそれに基づく「オチの4分類」を発表している。これにより、お笑いの理論化はすでに完了したと思われていた(これが述べられている書籍については後で紹介する)。
「緊張と緩和」の理論とは、「人が笑うのは、緊張から緩和に感情が動いたときである」というものだ。
しかし、ただ緊張から緩和が生じても、常に笑いが生じるわけではない、と俺はいつも疑問に思っていた。
例えば、タムケンを見てみよう。
サングラスをかけたイカツイ表情とキレている態度から、視聴者に緊張を生じさせようとしている。他方、だらしない身体とふんどしの間抜けな姿により、緩和を生じさせようとしている。
しかし、彼は100パーセント滑っているよな。なぜか。
彼が滑る理由は、彼が、「緊張と緩和」が笑いの本質ではなく、それが笑いの本質により生み出される結果(人間に起こる生理現象)にすぎない、ということを理解していないことにある。
タムケンは笑いの本質は何か自分の頭で考えることをせず、ただ緊張と緩和という結果に対してアプローチしているだけなので、十分に(まったく)笑いを起こすことができず、お笑いで全くうだつが上がらないのである。
では、緊張と緩和を生み出す笑いの本質とは何だろうか。また、それに基いてどのような理論化ができるのだろうか。
俺はそれを考え抜き、実践した。その結果、上記の「緊張と緩和」の理論を一歩勧め、わかりやすく明快な笑いの体系を作ることに成功したのである。
以下、その笑いの本質をズバリ述べ、その後「笑いの3パターン」理論を具体例とともに紹介しよう
目次
人が笑うのはなぜか?
ズバリ言おう。
人が笑うのは、「孤独感から同一感へ感情が動いたとき」である。
孤独感は、非現実的な状況・非人間的な対象に直面したときに起こる感情である。疎外感と言ってもいいだろう。
他方同一感は、現実的な状況・人間的対象に直面したときに起こる感情である。共感と言ってもいいだろう。
笑いは、①非現実的状況・非人間的対象を利用しあるいは作り出し(フリ)、②その後、現実的・人間的状況を提示する。これにより、感情を揺り動かすことで生まれるのである(オチ)。
そして、その落差が大きいほど、笑いは大きくなる。

タムケンが笑えないのは、フリとオチが両方弱いからである。
つまり、「イカツイ真面目な顔でキレる」というフリは、まだ人間性が残る以上、非人間性として不十分で孤独感のストレスをを感じない。彼の姿に恐怖やコワさを感じないよな。
また、オチ(オチていないが、分類上このように表現する)の間抜けな恰好も、変な奴という違和感を感じるだけで、人間的要素が弱く、同一感や共感を感じないよな。
上の動画では、仲間の芸人がイジってくれているから、タムケンの間抜けさが強調され、かろうじでお笑いという体面を保っているが、彼自身の笑いの能力は低いと言わざるを得ない。

わかった。
笑いが起こるパターンは3つに分類できる。①あるある、②大ウソ、③テンドン、である。以下、この笑いの3パターンを、それぞれの具体例と共に紹介していこう。
笑いの理論~3つのパターン~
①「あるある」~フリを十分効効かせれば最大の笑いがとれるオーソドックスなパターン~
フリで相手に非現実的な状況・非人間的対象を提示して孤独感を感じさせる。そして、それらが実は現実的状況・人間的な対象であったと種明かしをして、どんでん返しを起こし落とす。すると、ギャップが効いて、フリの対象に強い同一感を感じる。これが快感となり、笑いになる。
この「あるある」は、フリが十分効いていれば最大の笑いがとれる最も強力かつオーソドックスなパターンである。このパターンをメインとして狙っていこう。
例:魚化からの性欲
オードリー若林のIPPONグランプリでの回答を紹介しよう。
お題(フリ)「あれっ?俺魚かも。何があった?」(お題、フリ)
→「いくらを見ると興奮する」(オチ)

フリの「魚」は非人間的だな。そして、フリは抽象的なものよりも、具体的なものの方がよく効くのである。
「俺魚かも」は対象が自分自身でかなり具体的なので、このお題のフリは十分に効いていて、いいお題と言える。普通の人間とは違うという孤独感を十分感じることがでるな。
そして、オチも「魚も性的に興奮するんだよなぁ」と魚と俺達人間との同一感を具体的に感じることがができる。
②「大ウソ」~フリが弱くても、フリを補強しつつ落とすことで中くらいの笑いまでもっていける~
フリが抽象的で弱くても、大ウソをつけば一気に強い孤独感までもっていける。そして、大ウソは非現実的すぎてすぐバレるので、一気に現実へ引き戻されてオチる。これが「大ウソ」である。
ただし、大ウソがバレても、「そんなわけあるかいっ」と抽象的な同一感を感じるにとどまり、具体的な同一感まで到達ない。
だから、大ウソはフリが抽象的で弱い時の対処法、という位置づけをし、「あるある」の補助として使うのがいいだろう。

例1:かつおだし
お題(フリ)「検査しましょう」何があった?(お題、フリ)
→「かつおだしが耳から噴き出して止まらない」(オチ)
フリが極めて抽象的だ。そのため、現実のことなのか、非現実のことなのか曖昧で、フリが全く効いていない。難しいお題だな。
このフリに対して「あるある」のようにストレートに現実感へ落としても、非現実感からのギャップがないので笑いは起こらない(例えば、「熱があったから」「お腹が痛かったから」など。普通の会話になってしまいう)。
それを、渡辺さんは「かつおだしが耳から噴き出す」と具体的な大ウソをついて非現実の世界へ導き、同時に一瞬でバラして現実感へ引き戻している。シュールな映像がイメージでき、大笑いとはいかないが、なんだか面白いよな。
例2:かわいい
というフリ。普通は7回押したってどうもならないはずだし、「どうなる」って問いが抽象的。なかなか難しいお題である。
ここで、千鳥の大吾は、「ネコがのってくる」と答えた。「そんなわけあるかいっ」の大ウソだよな。しかも、ネコが単独でバスに乗ってくる光景ってかわいいし、人間みたいな行動に同一感も得られる。
「大嘘」をベースに、ネコという愛くるしいキャラクター、「あるある」を複合させた、実は高度な回答なのである。応用だね。
③「テンドン」~笑いは弱めだが、マネするだけなので比較的簡単に笑いがとれる~
それ単体では真面目でお堅いフレーズも、卑近な文脈でその真似をすれば、現実感に引き戻し、同一感を与えることができる。これが「テンドン」である。
テンドンは、あるキーワードをギャップがある文脈で繰り返すだけなので、難易度が低く、使いやすい。
しかし、フリはそれ自体日常で用いられる言葉であるから、非人間性がそれほど高くない。また、オチも、キーワードを卑近な文脈で真似をしただけなので、深いところでの共感を得られない。そのため、とれる笑いは大きいものではない。
よく、ダウンタウンのまっちゃんが番組の最後でオチを付けるときに、その番組で他の芸人が言った印象的なキーワードをテンドンすることで締めている。このように、「テンドン」は使いやすいので、どうしてもオチを付けたいときに有効である(頻発して使うと「またか」とウザがられてしまう)。

例1:韓国料理っぽく
「チャンジャこの野郎」(ミルクボーイ駒場)。ダジャレは、テンドンの一つである。
例2:ダンカンバカヤロー
IPPONグランプリでのナイツ塙の、以下の回答を見てほしい。
・お題(フリ) 「大御所を叱ってください」
→オチ (ビートたけしののモノマネをしながら)「ダンカンバカヤローじゃねえよ。バカヤロー」
大御所すぎるビートたけしの事だともろバレで、それをディスってるから、審査員もポイントをつけられず、0ポイント。だけど、だからこそ緊張感(非現実感)が高まる。そして、ビートたけしならこんなことで怒ったりしないという安心感もある。ギリギリつく感じが絶妙。
このような絶妙な踏み込み具合が功を奏し、テンドンにしては同一感へのギャップが大きくなっている。さすが漫才のプロ。おもしろいよね。
ここでこのお題が終わったとしてもオチるよな。大御所で締めには最適だし、「やりすぎはダメ」って教訓を残して締めくくれる。
あとがき~笑いはコミュ力と直結する~
緊張と緩和という単なる現象を離れ、孤独感と同一感という笑いの本質がわかれば、笑いは人間のコミュニケーションと本質を同じくすることが分かってくる。
つまり、人が仲良くなるプロセスと、笑いのプロセスは全く同じなのだ。
どういうことか。
人と仲良くプロセスって、次のようなものである。
初対面は相手のことがわからず、孤独感を感じる。誤解が生まれ嫌いになることもあるだろう。しかし、徐々に相手のことを知っていく。そして、共有できるものを増やしていき、良いところをみつけたりして、同一感を得ていく。
同一感を得た人間同士はどうなるか。それは、「仲間」あるいは「恋人」という密接な関係を有するパートナーになるのである。人と何かを共有したと思える瞬間って、すごい安心するよな。笑みも自然と多くなる。
これって、孤独感からの同一感で笑いに至るっていう、上記の笑いの理論と同じなんだよ。
よくお笑い芸人や面白い人はモテるというが、それは笑いで女に快感を与えているからって、現象面だけを見て安易に納得しちゃいけない。
それもあるが、より本質的には、女性が本能的に「笑わせられる男=コミュニケーション能力が高い男=仲間と協力して狩りができる男=優秀なオス」と判断しているからなのである。

みなさんの人生に笑いと気づきを届けられ、少しでもお役に立てれば幸いだ。
最後まで読んでいただき、ありがとう。
では、またお会いしよう!
参考文献
らくごde枝雀(ちくま文庫)桂枝雀
この記事の一番上でも紹介したが、俺の理論の根本には、落語家 桂枝雀師匠の「緊張と緩和の理論」がある。彼の理論に直接触れたい方は、↓の本を直接読んでみてはどうだろうか。
また、You Tubeで実際に枝雀師匠の落語を聞いて、自分の目でその喋り方や動きを捉えるのも、勉強になるよ。
ここで、枝雀師匠の事を少しだけ紹介しておこう。
枝雀師匠は、神戸大学文学部を中退し落語の道に入られた方で、落語界の「爆笑王」と言われる実力者である。
神戸大学に入られたことから、とても頭が良いことがわかるよな。そのような方が、どうすれば人が笑うのか、落語をしながら突き詰めて問い続け、理論化した。それが、本書で紹介される「緊張と緩和」と「オチの4分類」である。
しかし、既述のように、「緊張の緩和」の理論は笑いの本質をとらえていないきらいがある。
だから、僕が師匠の理論を発展させて、今回の「孤独感と同一感」「笑いの3パターン理論」を提唱した。俺の考えを深めるきっかけを与えてくださった師匠に感謝を捧げる。そして、ご冥福をお祈りする。
ウケる技術 (新潮文庫)小林昌平
多くの具体例とともに、合計40個の「ウケる技術」が紹介されている。
ウケる技術は「愛」であり、「サービスである」というコンセプトの下、社会生活上生じる様々なピンチの場面で、人間関係を前向きに進展させるユーモアセンスを身に着けさせようとする書籍である。
笑いをマジメに・面白く・卑近に紹介したきわめて読みやすく勉強になる本だ。
俺は、この本を読んで、今回述べた「孤独感と同一感」「笑いいの3パターン理論」が、40個の「ウケる技術」すべてに当てはまることを確認した。
みなさんも、上記理論を当てはめながら読み進めると、笑いの本質をより深く知ることができるだろう。
参考記事
笑いとはコミュニケーションだとわかったところで、関係構築のキモとなる「雑談力」についてみると、さらに気づくことがあるのではないだろうか。
【雑談上手の特徴がまるわかり】『雑談が上手い人下手な人』 を一言で切ってみた
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